2021年3月24日水曜日

Rocky

 先日のライブで映画の話題になり、人生のBest3は何かという話になりました。3作に絞るのはとても難しい事ですが、最初に頭に浮かんだのは『Rocky』でした。言わずと知れた名作ですが意外と観てない人が多いと思います。それには何点か理由があると思いますが、その一つに主演であるシルヴェスター・スタローンのイメージが筋肉おバカ俳優(そんな事は全く無い)として認知されていて、観る前から敬遠されている事が多いかと思います。

スタローンはこの作品で主演しているのはもちろんなのですが脚本も担当しており、後のシリーズでは監督をしている作品もあります。この脚本を自ら担当する事によって、シリーズの物語がスタローン自身の私小説になっているのがこの作品の魅力になっているのではないかと思います。そして意外と知られてないのが、ボクシングの映画ですが試合シーンやトレーニングシーンは少なく、ヒロインであるエイドリアンやロッキーの周りにいる人々との人間模様が描かれているシーンが多いので、スポーツ映画と言うより恋愛ドラマ、ヒューマンドラマ的な映画であると思っています。

この映画で好きなシーンが、映画の中盤、30歳を過ぎてもボクサーとして大成していないロッキー・バルボアにひょんな事から世界チャンピオンとのエキシビジョンマッチの話が舞い込んできます。試合に向けトレーニングを始めるのですが、所属しているジムからはロッカーを撤去されるなど終わった選手扱いを受けており、コーチからも見放されていました。しかしチャンピオンとの試合が決まるやいなやコーチであるミッキーからトレーニングしたいと申し出を受けます。ロッキーは当然ながらブチ切れます。なぜもっと前にちゃんとトレーニングをしてくれなかったのか、世界チャンピオンとの試合が決まった瞬間に手のひらを返したかの様に申し出てきたミッキーを追い返します。そして申し出を断られたミッキーは寒空の中トボトボと帰って行きます。しかしある程度歩いたところで後ろから追いかけてきたロッキーが和解しにやってきます。このシーン、普通の映画ならセリフや表情をアップでおさえるのですが、『Rocky』は違います。全て引きのシーンで写し、音楽が流れセリフも聞こえなくなります。しかし観た人全てが和解をしたのだと理解できる素晴らしいシーンになっています。このシーンの演出が素晴らしいのはもちろんですが、二人の俳優の演技も素晴らしいんです。

この作品で第49回アカデミー賞の作品賞や監督賞などを受賞しました。他にも良いシーンはたくさんあるのでここでは書ききれないのですが、ぜひ皆さんにも観てもらいたいです。人生やるか、やらないかの選択から失敗してもいいからやる方を選んだ話は、観た後にやる気や希望に満ち溢れた気分にしてくれます。

私の映画Best3の一つは『Rocky』です。皆さんはBest3、どんな映画を選びますか?

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